海のお祭り糸満ハーレー
糸満ハーレーは、ハリー(爬龍船競漕)の中でも一番有名で歴史のあるハーリー。ハーレーは大漁と航海安全を祈願するウミンチュ(漁師)の祭りである。「ハーレー」と呼ぶのは糸満だけで、他の地域では「ハーリー」と呼んでいる。
旧暦の5月4日に開催され、ハーレーの開催場となる糸満漁港では毎年約3万人の観光客でごった返す。
糸満ハーレーは伝統的な行事であるがゆえに、古い時代の集落『西村』『仲村』『新島』の3つのムラに分かれて、ムラの対抗戦で行われる。ハーレー船(サバニ)には12名の男達が乗り込み、勇壮な男達のレースが催される。ここのハーレーの名物に『転覆バーレー』があり、競漕中に船をわざと転覆させ、そこからまた船を元もどし、競漕を続けていくという少し変わったレースがある。
糸満ハーレープログラムは簡単に説明すると以下のようになる。
<旧暦4月27日>
●ハーレー鉦の打ち鳴らし
午前5時、糸満漁港を見下ろす山巓毛で、行事委員長であハーレー鉦を打ち鳴らし、時期の到来を告げる。
<旧暦5月4日>
●御願・御願バレー
神人達によってハーレーの御願が行われ、終わると儀式のようなハーレー、『御願バレー』が行われる。
『御願バレー』が終わると、ハーレーシンカは白銀堂に行き盃を受け、歌など歌う。
竜宮の神に、『御願バレー』が無事終了したことを伝えることになっている。
●中学生、青年団、職域競漕、地域参加のバレー、あひる取り、スイカ取り競争
ハーレー競漕の多くの時間はこちらで費やされる。中学生や青年団、そして一般参加可能な職域競漕など
が行われる。あひる取り、スイカ取り競争などの余興も催される。
●転覆バレー(クンヌカセー)
糸満ハーリー名物の転覆バリー。レースの途中で船を一斉に転覆させ、船を元通りに戻し、再び船に乗り
込んでレースを再開させる。その昔、荒波でサバニで漁をしていたころは、転覆してもすぐに船を起こして漁
を続けるというところから、技量を試すという趣旨があるとか。
●アガイスープ
糸満ハーリー一番のメインとなるレースで、各村一番の生え抜きのメンバが選ばれる。
距離も他のレースの2.5倍と長く、このレースに勝つことが一番の名誉であり、このレースに勝つと優勝が
濃くなる。
●御願
最後の競漕アガイスープが終わると、ハーレーシンカは、西村、仲村、新島の順にヌン殿内に行き、盃を受
け、歌を歌い、奉納することになる。
撮影:2006年5月30日