上野村宮国部落伝統の大綱引き。旧盆の送り日に当たる日、実施される。
宮国の大綱引きは、先祖の魂をにぎやかに送り、一年の豊作と大漁を祈願するもので、一九九五年三月に同村の無形民俗文化財に指定されている。大綱引きに使用される綱は「キャーン」(シイノキカズラ)を太く編み上げて作る昔ながらのもの。以前は子供たちが中心となり、数日間にわたり綱引きが行われていたという。
しかし、今は宮国の海岸一帯に生い茂っていたという原料となるキャーンの不足や子供の数が減ったことから、現在は先祖の霊を送る旧盆の送り日だけになったという。
行事の始まりを告げるほら貝やかねの音が集落内に響きわたると、会場となった宮国公民館前道路には大勢の地域住民らが集まり、それぞれ東西に分かれて「ワッショイ、ワッショイ」と威勢の良い掛け声を上げながら、力の限り引き合いが始まる。
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