「パーントゥ」とは、宮古の方言で化け物とか妖怪をさす。平良市島尻では年に3回行われるサトゥプナハの行事の、最終回のプナハで姿を現す。旧暦9月である。「パーントゥ」に扮するのは村の青年6人。
ンマリガーと呼ばれる泉水池がかれらの「楽屋」。夕方そこへ来て、日常の着衣を脱ぎすて、非日常の衣をまとう。全身に泉水池の泥を塗りたくり、キャーン(シイノキカズラ)を巻きつける。これに仮面をかぶれば1匹の黒い草獣である。かれらはフツムトゥ(拝所)に出向いて、神屋にあいさつしてのち、いよいよ部落へくりだすのである。
目ざすは主に新築の家や新生児のいる家だが、新築家屋や新生児に好んで取りつく悪霊を祓うと同時に、嘉例をつける(祝福する)というもう一つの役割を担っているからだ。
部落に現れた「パーントゥ」神は、子どもや村人を追いまわす。子どもたちは、大胆にからかったりけしかけたりして、鬼ごっこに興じる気配がある。パーントゥは、カメラマンにも泥をつけに来たりする。
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