岡山県 玉野市と香川県 高松市の県境にある
大槌島
(おおづちじま)。
面積0.16平方キロメートル、標高170.9メートル
(面積は面積計算ソフトで算出したおおよそ)
無人島。
玉野市の鼻操鼻と、高松市の大崎ノ鼻の
ちょうど中間あたりに浮かぶ。大槌島は外観は円錐形の島。
その昔、刀鍛冶が、使えなかった槌を、大きいのと小さいのとで海に投げたら、
海の真ん中に落ちた大きな槌が大槌島となり、
讃岐の五色台の麓に落ちたのが小槌島になったといわれている。
次は、県境の話。
大槌島の近海は魚がよく取れ、備前と讃岐の国で領海争いが絶えなかった。
そこで、備前児島小川の庄屋、菅野彦九郎は備前と讃岐の領主に
願い出て、大槌島の真ん中から、樽に乗って流れたところを国境に決めたら
どうかと提案し、領主たちは賛同した。
実は彦九郎は事前に実験済みで、樽は讃岐沖近くを流たことを知っていて、
備前の海が広くなると喜んでいた。
しかし、当日、両領主の遣わした検視役が見守る中、
樽が流れたのは玉野から下津井の海岸近くを流れたので、
備前の海は狭くなり、讃岐の海は広くなり、多くの島が讃岐のものになったという。
彦九郎は残念だと悔やんだが後の祭り、
彦九郎は漁師でないから潮の流れが日によって変わることを知らなかったのだという。
ただし、樽に乗って流れたのは1732年の話で、それより86年前に、
松島、釜島、六口島、堅場島の四島だけが備前の島と決まっていたので、
これは伝説のようだ。
讃岐の海が広いのは、どうやら時の塩飽諸島の権力者が強かったから、
讃岐の海が広かったのだろうと思われる。
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