島の散歩


大鯨島

宮城県 塩竃市にある
大鯨島
(おおくじらじま)。
面積0.015平方キロメートル
(面積は面積計算ソフトで算出したおおよそ)
無人島。
野々島の北東沖合に浮かぶ。野々島の北に連なる烏帽子列島の島の一つ。
北から小鯨島、大鯨島と並んでおり、両方あわせて鯨島ともいう。
近くの朴島に、鯨島の昔話がある。
その昔、平八という若者が朴島にいた。
ある夜、平八は鯨島の近くで釣りをしていたところ、
鯨島の岩から声がして、ここで釣るなと怒られた。
しかし、言うことを聞かず釣りをしていたところ、
大勢の人が小舟を漕いで追ってきたため、平八は朴島に死に物狂いで逃げ帰った。
次の日、その話を聞いた、島の漁師たちは仕返しとばかりに、
その夜、竹槍を用意し、鯨島の声のした岩に行く。
そうすると、鯨島の声のする岩は怒り、
浄瑠璃が流れ、今度は源平合戦なみの船があらわれ、
旗がたなびき、矢が飛び交い相戦うすさまじいことになった。
平八たちはただただあっけにとられていたが、やがて、その光景は消えた。
最後は岩から命は助けてやるから、立ち去れと忠告された。
それ以来、鯨島のこの付近には誰も近づかなくなったという。
しかし、人々は狸の仕業であったのではないかと、今に言い伝えられている。




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